小児泌尿器科
小児泌尿器科
夜尿症とは、5歳を過ぎても月1回以上、少なくとも3ヶ月以上続く夜間の睡眠中の尿失禁(おねしょ)のことです。主な原因は、睡眠中に膀胱がいっぱいになっても尿意で目覚められない「覚醒障害」、睡眠中の膀胱の働きが未熟であること、夜間のおしっこの量が多いことなどが重なるためと考えられています。多くの場合は成長とともに自然に改善しますが、昼間に排尿に異常がある、6ヶ月以上夜尿がなくなっていたのに再び起こるようになった場合は、別な疾患の存在を考えなくてはいけないため医療機関への相談は必要と考えます。夜尿症は、自分に自信が無くなり、学校の行事に参加したくないなどネガティブな思考に陥るなど、お子さんの自尊心を低下させると言われています。夜尿症の治療効果があれば自尊心が回復することが知られているため、お子さんが気にしているようであれば、専門的な治療介入が必要と考えられます。また、夜尿症が長引くとお子さんやご家族の精神的ストレスやQOL(生活の質)の低下につながるため、小学校入学後もおねしょが続く場合なども治療を検討することが大切です。
治療としては、まず、塩分や水分摂取量の調整や睡眠の見直しなど生活指導やおしっこを我慢するなど行動療法や便秘への対応などを行います。効果が不十分な場合に夜間のおしっこの量を減らしたり、おしっこをためやすくするお薬の使用や睡眠中に尿が出ると音で知らせるアラーム療法を行うか検討いたします。
当院には泌尿器科と小児科の医師が日々診療にあたっており、連携して夜尿症のお子さんを診療できる体制を整えています。この強みを活かし、心の問題も含めてお子さんやご家族をサポートし、多くのお子さんの力になりたいと考えております。
おちんちんの皮(包茎)の先端部分の出口(包茎口)が狭いため、おちんちんの先端(亀頭)が包皮に覆われ露出できない状態のことです。新生児期から乳幼児期にかけての赤ちゃんの時期は、亀頭と包皮が生理的にくっついており包茎の状態が正常です。成長とともに剥がれていき包皮口も広がり少しずつ亀頭が露出できるようになります。11歳~15歳には7割の男児が亀頭を露出できるようになると言われています。そのため、小児期の包茎に対しての治療や処置は原則不要とされております。しかし、短期間に重度の亀頭包皮炎を繰り返す場合や包茎が尿路感染の原因と考えられる場合や特殊な皮膚炎にて包皮口が極端に狭く排尿障害を起こしている場合などは手術を含めた治療を行う必要があります。手術以外の方法は手で包皮をむいてあげて、包皮口を拡張する方法(用手的包皮拡張法)があります。拡張しやすくするため、ステロイド軟膏を使用することもあります。
おちんちんの先端(亀頭)とそれを覆う皮(包皮)とその間の炎症で、赤み、腫れ、痛みを伴い、膿が出ることもあります。不機嫌になったり、痛みで排尿を嫌がったりする症状で気づかれることもあります。主な原因は、汚れた手で触れることによる細菌感染や、包皮と亀頭の間の汚れです。清潔を保つことが大切で、お風呂で優しく洗うことも治療になります。症状が強い場合は、軟膏や抗生剤内服が必要になります。
小児の急性陰嚢症の10~15%にみられる疾患です。好発年齢は12~18歳の思春期に最も多く、次に新生児期にもピークがあります。成人にはほとんどみられません。精巣につながる血管や神経が束になった「精索」がねじれることで、精巣への血流が途絶える疾患です。これにより、突然の激しい陰嚢の痛み、腫れ、吐き気などの症状が起こります。腹痛が主訴のこともあります。発症から6時間以内の治療が重要であり、迅速な手術が必要になります。時間内に血流が回復できなければ精巣が壊死してしまう可能性があります。