当院で対応する主な症状|甲府市和戸の泌尿器科・小児科
-にいつ泌尿器科クリニック

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当院で対応する主な症状

当院で対応する主な症状|甲府市和戸の泌尿器科・小児科
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血尿が出る

血尿が出る場合は、自己判断せず、なるべく早く泌尿器科を受診してください。見た目でわかる赤い血尿はもちろん、見た目は赤くなくとも、健康診断で指摘された「尿潜血陽性」の場合も同様です。放置すると、尿路のがんなど重篤な病気が隠れている可能性があるため、早期の検査と診断が重要です。

考えられる主な泌尿器科疾患

膀胱がん

見た目でわかる赤い血尿で診断される泌尿器科腫瘍の中で最も多いとされています。多くの場合、痛みや発熱を伴わない無症候性の血尿が初期症状となります。

膀胱の内側の粘膜である尿路上皮に発生するがんの総称で、約9割が「尿路上皮がん」です。最も特徴的な症状は症状を伴わない血尿(無症候性肉眼的血尿)で、その他に頻尿、排尿時の痛み、残尿感などで見つかることもあります。喫煙が主な原因の一つと考えられており、男性、50歳以上に多くみられます。膀胱鏡検査を行えばほとんど診断が可能です。尿にがん細胞が落ちているかを調べる尿細胞診も有効な検査です。膀胱がんの外科的な治療には、大きく分けて2つの方法があります。ひとつは、腰椎麻酔をかけて膀胱鏡で腫瘍を観察しながらがんを電気メスで切除する方法(経尿道的膀胱腫瘍切除術)、もうひとつは全身麻酔下に膀胱を摘出する方法(膀胱全摘除術)です。

尿路結石症

尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)に結石を認める場合、血尿を伴うことがあります。特に尿管に結石を認める場合、血尿とともに痛みを伴うことが多いです。

腎臓で作られた結石が尿の通り道である尿管に移動し、詰まることによって脇腹や腰に耐えがたい激しい痛み(疝痛発作)や血尿、吐き気などの症状を引き起こす疾患です。尿路結石の一種であり、尿の流れが悪くなることで腎機能低下の原因にもなるため、早期の医療機関への受診が必要です。結石のサイズにより自然排泄が望めない場合は適切な医療機関での加療(ESWL:体外衝撃波結石破砕術や手術)が必要になります。また、38℃以上の発熱を伴う場合は、急性腎盂腎炎(腎臓に細菌感染が起こった状態)の併発を考えなくてはいけません。放置すると細菌が全身に広がる敗血症になる危険性があります。その場合は、尿管ステント留置など尿の流れを改善する処置が緊急に必要になります。そのため、適切な医療機関での精査・加療が必要になります。当院では周辺の医療機関でCTやレントゲン撮影できるよう連携することで、尿路結石の対応に努めてまいります。

※敗血症
感染症に対する体の制御不能な免疫反応によって全身の臓器に機能障害が起こり、生命を脅かす病態です。

※尿管ステント
腎臓と膀胱をつなぐ尿管が尿管結石など閉塞したり狭くなったりした際に、尿の通り道を確保するために挿入する細い管(チューブ)のことです。

急性膀胱炎

血尿とともに排尿時痛や頻尿、尿意切迫感と膀胱刺激症状を伴います。炎症により膀胱粘膜が傷つき出血し血尿となります。

女性に多く見られる尿路感染症です。尿道から侵入した細菌(大腸菌など)によって膀胱の粘膜が炎症を起こす疾患です。主な症状は、排尿時の痛み(排尿時痛)やしみる感じ、頻尿、残尿感、血尿などです。治療は抗生物質の内服が中心ですが、高熱を伴う場合は腎盂腎炎の合併も考えられるため、早急な泌尿器科の受診が重要です。また、感染した細菌の特定も重要になります。

日中の頻尿

日中の頻尿がある場合、生活習慣の改善や、症状の原因となる泌尿器科疾患の治療が必要になります。水分摂取量を調整やカフェインやアルコールを控えることで良くなることもあります。膀胱に溜められずに頻回になっている場合は膀胱訓練といった行動療法も効果的です。

考えられる主な泌尿器科疾患

前立腺肥大症

男性のみ疾患です。大きくなった前立腺が膀胱を圧迫して頻尿や残尿感を引き起こします。

加齢とともに男性の膀胱の出口付近の前立腺が大きくなり、尿道を圧迫することで頻尿、尿勢低下、残尿感などの排尿に関する症状が現れる良性の疾患です。統計的には日本の55歳以上の男性の約2割、5人に1人くらいに前立腺肥大の症状があると言われています。根本的な原因は完全には解明されていませんが、加齢とそれに伴う男性ホルモン環境の変化が大きく関与していると考えられています。その他の危険因子として、遺伝的要因、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常などの生活習慣病も指摘されています。

過活動性膀胱

男女とも認める疾患です。膀胱が過敏になり、尿をためづらくなり、急に強い尿意を感じて頻繁にトイレに行きたくなる状態です。

膀胱の「尿をためる畜尿(ちくにょう)機能」に支障が生じ、尿が十分にたまっていないのに「急に我慢できないような強い尿意」を感じ、その尿意によって頻尿や夜間頻尿、切迫性尿失禁が起こる症候群です。脳卒中やパーキンソン病など、脳や脊髄の神経に障害があり、脳から膀胱への神経の異常が原因となるもの(神経因性)と、前立腺肥大症で膀胱の出口が狭くなったり、膀胱の血流が悪くなったりするなど前立腺肥大症や加齢、肥満、高血圧などその他の原因によるものに分けられます。排尿後もすぐに尿意を感じ、頻繁にトイレに駆け込んだり、漏れることもあり、外出や映画鑑賞などがしづらくなるなど生活の質が下がることが問題になります。

急性膀胱炎

細菌感染が原因で膀胱に炎症が起き、頻尿、残尿感、排尿痛などを引き起こします。急に尿の回数が増えた際はこの疾患を疑います。

女性に多く見られる尿路感染症です。尿道から侵入した細菌(大腸菌など)によって膀胱の粘膜が炎症を起こす疾患です。主な症状は、排尿時の痛み(排尿時痛)やしみる感じ、頻尿、残尿感、血尿などです。治療は抗生物質の内服が中心ですが、高熱を伴う場合は腎盂腎炎の合併も考えられるため、早急な泌尿器科の受診が重要です。また、感染した細菌の特定も重要になります。

夜間の頻尿

夜間の頻尿は夜間頻尿といい、就寝中に排尿のために1回以上起きなければならない状態を指します。日常生活に最も影響がある症状であり、最も訴える方が多い症状です。単に夜間に一度起きる程度であれば問題ない場合もありますが、頻度が増えると睡眠不足になり、日中の眠気や疲労感、転倒や骨折のリスクを高めるなどの問題を引き起こします。主な原因は、夜間多尿、膀胱容量の減少、睡眠障害に大別されます。また、泌尿器科疾患のみならず、循環器系・内分泌系・呼吸器疾患など多岐にわたります。夜間頻尿の対処としては、正確に病態を把握したうえで適切な治療を選択することが重要になります。1日の飲水量や尿量、睡眠時間など1日の排尿の記録(排尿日誌)をつけることである程度の原因(夜間多尿、膀胱畜尿障害、睡眠障害など)を特定することができます。そのため、当院でも夜間頻尿の方には排尿日誌の記載をすすめております。治療は、生活習慣の見直しや夜間の水分やカフェイン・アルコール摂取を制限したり、膀胱に尿を溜めやすくする薬などを使い分け、必要に応じて睡眠薬や前立腺肥大症の治療薬が使用されます。

考えられる主な泌尿器科疾患

前立腺肥大症

男性のみ疾患です。前立腺の肥大により膀胱が圧迫され、尿を溜める容量が減少するため、頻尿を招きます。

加齢とともに男性の膀胱の出口付近の前立腺が大きくなり、尿道を圧迫することで頻尿、尿勢低下、残尿感などの排尿に関する症状が現れる良性の疾患です。統計的には日本の55歳以上の男性の約2割、5人に1人くらいに前立腺肥大の症状があると言われています。根本的な原因は完全には解明されていませんが、加齢とそれに伴う男性ホルモン環境の変化が大きく関与していると考えられています。その他の危険因子として、遺伝的要因、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常などの生活習慣病も指摘されています。

過活動性膀胱

男女とも認める疾患です。膀胱が過敏になり、少し尿が溜まっただけでも強い尿意を感じ頻尿を招きます。

膀胱の「尿をためる畜尿(ちくにょう)機能」に支障が生じ、尿が十分にたまっていないのに「急に我慢できないような強い尿意」を感じ、その尿意によって頻尿や夜間頻尿、切迫性尿失禁が起こる症候群です。脳卒中やパーキンソン病など、脳や脊髄の神経に障害があり、脳から膀胱への神経の異常が原因となるもの(神経因性)と、前立腺肥大症で膀胱の出口が狭くなったり、膀胱の血流が悪くなったりするなど前立腺肥大症や加齢、肥満、高血圧などその他の原因によるものに分けられます。排尿後もすぐに尿意を感じ、頻繁にトイレに駆け込んだり、漏れることもあり、外出や映画鑑賞などがしづらくなるなど生活の質が下がることが問題になります。

考えられる泌尿器科以外の疾患

心不全

心機能が低下していると、日中に下半身に溜まった水分が夜間に心臓へ戻り、夜間の尿量が増加します。高血圧が関連することもあります。

糖尿病

血糖値が高い状態が続くと、体は余分な糖分を尿として排出するため、尿量が増えます。さらに水分を多く摂取するようになり、夜間頻尿につながります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に呼吸が止まることで心臓に負担がかかり、夜間頻尿の原因となります。激しいいびきや日中の強い眠気や集中力低下が主な症状です。肥満や顎が小さいことや舌根沈下、扁桃肥大などが要因となります。

尿が漏れる(尿失禁)

尿が漏れる場合は、加齢や出産などによる骨盤底筋の緩み、膀胱の過敏、神経系の問題、肥満などが関係します。尿失禁のタイプも様々です。

尿失禁のタイプ

腹圧性尿失禁

  • 特徴
    咳やくしゃみ、運動、重いものを持ち上げるなど、腹部に力が入ったときに尿が漏れてしまうタイプです。
  • 原因
    骨盤底筋群の緩みによって尿道が十分に閉まらなくなることが原因です。特に女性で多く、妊娠や出産が関係すると言われます。

切迫性尿失禁

  • 特徴
    突然、強い尿意(尿意切迫感)を感じ、我慢できずにトイレに間に合わず尿が漏れてしまうタイプです。
  • 原因
    膀胱の筋肉が過剰に活動する過活動膀胱などが挙げられます。

溢流性尿失禁

  • 特徴
    膀胱に尿が溜まりすぎているのに、自分では尿を出しきれないため、尿が少しずつ漏れ出てしまうタイプです。
  • 原因
    尿の通り道が狭くなったり、尿を出す力が弱まったりする「排尿障害」が前提にあると言われます。例えば、前立腺肥大症、神経因性膀胱など

機能性尿失禁

  • 特徴
    膀胱や尿道の機能自体には問題がないにもかかわらず、身体の運動機能(歩くなど)や認知機能(認知症など)の低下が原因でトイレに間に合わずに尿が漏れてしまうタイプです。

尿が全く出なくなりお腹が張る(下腹部痛)

尿が全く出なくなり下腹部が張る場合は、「尿閉(にょうへい)」の可能性があり、速やかに泌尿器科を受診してください。尿閉とは膀胱に尿が溜まっているのに排出できない状態であり、放置すると腎臓に悪影響を及ぼす恐れがあります。尿道カテーテルを挿入して膀胱内の尿を排出する必要があるため、緊急対応になります。

※尿道カテーテル
尿道カテーテルはしたくても尿がまったく出ない時や尿がしづらく残尿が非常に多い時などに使用します。
主に膀胱留置カテーテルと間欠カテーテル(自己導尿カテーテル)の2種類に大きく分けられます。膀胱留置カテーテルはカテーテル先端に付いた風船(バルーン)を膨らませて膀胱内に固定し、カテーテルを抜けないようにして、持続的に尿を排泄させるものになります。間欠カテーテルはご自身でカテーテルを尿道から挿入し、膀胱内の尿を排泄させるもので、カテーテルは使い捨てのものや再利用可能なものなどいくつか種類があります。間欠的自己導尿(CIC)とも呼ばれます。患者さんの状態や自己管理能力によって選択されます。当院ではいずれのカテーテルも扱っております。

尿閉が考えられる原因

  • 男性の場合
    主に前立腺肥大症や急性細菌性前立腺炎が原因で起こります。

前立腺肥大症

加齢とともに男性の膀胱の出口付近の前立腺が大きくなり、尿道を圧迫することで頻尿、尿勢低下、残尿感などの排尿に関する症状が現れる良性の疾患です。統計的には日本の55歳以上の男性の約2割、5人に1人くらいに前立腺肥大の症状があると言われています。根本的な原因は完全には解明されていませんが、加齢とそれに伴う男性ホルモン環境の変化が大きく関与していると考えられています。その他の危険因子として、遺伝的要因、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常などの生活習慣病も指摘されています。

急性細菌性前立腺炎

細菌が尿道から前立腺に侵入して引き起こされる前立腺に急性の炎症が起こる疾患です。主な症状は38℃以上の高熱、悪寒、会陰部痛や排尿時痛などの尿路症状で、早期に抗生物質での治療が必要です。炎症による前立腺の腫れによって尿道が圧迫され、尿が出にくくなったり、尿が全く出なくなったりする「尿閉」が起きることがあります。放置すると細菌が全身に広がる敗血症などの重症化リスクもあるため、早急に泌尿器科を受診することが重要です。

  • 女性の場合
    前立腺肥大症の男性に比べ発症率は低いですが、膀胱機能が低下する神経因性膀胱や子宮脱・膀胱脱といった骨盤臓器脱が原因となることがあります。

神経因性膀胱

神経因性膀胱とは、脳や脊髄、末梢神経の異常により膀胱の機能が障害され、尿を溜めたり出したりする機能に問題が生じる病気です。主な症状には、頻尿、尿意の喪失、尿の勢いの低下、残尿感などがあり、放置すると尿路感染症や腎不全につながる可能性があります。原因は脳卒中、パーキンソン病、脊髄損傷、糖尿病など多岐にわたります。男女問わず発症いたします。
治療では薬物療法、膀胱の機能を助ける尿道カテーテルの使用などが行われます。

骨盤臓器脱

骨盤内の臓器(子宮、膀胱、直腸など)が、骨盤底筋のゆるみや損傷により、正常な位置から下がって膣から体外へ脱出する疾患です。主に経腟分娩経験のある女性や高齢の女性に多く、股の違和感や排尿・排便困難、頻尿などの症状を引き起こします。

  • その他
    アルコール、風邪薬などの薬の副作用、冷え、長時間動かないことなども引き金となることがあります。
  • 便秘
    便秘によってお腹が張ることで膀胱が圧迫され、尿が出にくくなることがあります。

背中や腰の痛み

背中や腰の痛みがある場合、腎臓の病気が原因の可能性があります。主な疾患としては、尿路結石や急性腎盂腎炎が挙げられます。これらの痛みが特徴的な場合、泌尿器科の受診が必要です。

考えられる主な泌尿器科疾患

尿管結石

結石が尿管に詰まって尿の流れが妨げられ、腎臓に尿がたまって圧力が高まるため、背中や腰の痛みが出現します。この痛みは突然始まり、波のように強くなったり弱くなったりするのが特徴です。痛みが強烈であるため、救急車を呼ぶ人も少なくありません。

腎臓で作られた結石が尿の通り道である尿管に移動し、詰まることによって脇腹や腰に耐えがたい激しい痛み(疝痛発作)や血尿、吐き気などの症状を引き起こす疾患です。尿路結石の一種であり、尿の流れが悪くなることで腎機能低下の原因にもなるため、早期の医療機関への受診が必要です。結石のサイズにより自然排泄が望めない場合は適切な医療機関での加療(ESWL:体外衝撃波結石破砕術や手術)が必要になります。また、38℃以上の発熱を伴う場合は、急性腎盂腎炎(腎臓に細菌感染が起こった状態)の併発を考えなくてはいけません。放置すると細菌が全身に広がる敗血症になる危険性があります。その場合は、尿管ステント留置など尿の流れを改善する処置が緊急に必要になります。そのため、適切な医療機関での精査・加療が必要になります。当院では周辺の医療機関でCTやレントゲン撮影できるよう連携することで、尿路結石の対応に努めてまいります。

※敗血症
感染症に対する体の制御不能な免疫反応によって全身の臓器に機能障害が起こり、生命を脅かす病態です。

※尿管ステント
腎臓と膀胱をつなぐ尿管が尿管結石など閉塞したり狭くなったりした際に、尿の通り道を確保するために挿入する細い管(チューブ)のことです。

急性腎盂腎炎

腎臓の炎症により背中や腰の痛みが出現します。背中を叩くと仰け反るように痛がります。

腎臓の腎盂や腎臓自体に炎症が起こる尿路感染症です。細菌が尿道から感染して発症します。排尿時の痛みや頻尿など膀胱炎の症状が先行することがしばしばあり、寒気を伴う38℃以上の高熱、背中や腰の痛み、全身の倦怠感などの症状が特徴で、多くは抗菌薬の投与によって治療されますが、重症化すると細菌が全身に広がる敗血症に至る可能性もあるため、早期の受診が重要です。女性に多く、男性では前立腺肥大症や糖尿病などの基礎疾患がある場合に発症しやすい傾向があります。また、尿管結石が関与する場合は緊急処置が必要になります。

おしっこが残る感じがある(残尿感)

残尿感がある場合は、泌尿器科を受診しましょう。

考えられる主な泌尿器科疾患

急性膀胱炎

残尿感は細菌感染によって膀胱が刺激されることが原因です。排尿後も尿が残っている感覚があり、頻尿や排尿時の痛みも伴うことが多いです。

女性に多く見られる尿路感染症です。尿道から侵入した細菌(大腸菌など)によって膀胱の粘膜が炎症を起こす疾患です。主な症状は、排尿時の痛み(排尿時痛)やしみる感じ、頻尿、残尿感、血尿などです。治療は抗生物質の内服が中心ですが、高熱を伴う場合は腎盂腎炎の合併も考えられるため、早急な泌尿器科の受診が重要です。また、感染した細菌の特定も重要になります。

前立腺肥大症

残尿感は肥大した前立腺が膀胱の出口にある尿道を圧迫することで、尿が完全に排出されずに膀胱内に残ってしまうために生じる症状です。

加齢とともに男性の膀胱の出口付近の前立腺が大きくなり、尿道を圧迫することで頻尿、尿勢低下、残尿感などの排尿に関する症状が現れる良性の疾患です。統計的には日本の55歳以上の男性の約2割、5人に1人くらいに前立腺肥大の症状があると言われています。根本的な原因は完全には解明されていませんが、加齢とそれに伴う男性ホルモン環境の変化が大きく関与していると考えられています。その他の危険因子として、遺伝的要因、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常などの生活習慣病も指摘されています。

過活動膀胱

残尿感は、尿が少なくても強い尿意を感じたり、排尿しても出しきれていない感じがしたりすることで生じます。

膀胱の「尿をためる畜尿(ちくにょう)機能」に支障が生じ、尿が十分にたまっていないのに「急に我慢できないような強い尿意」を感じ、その尿意によって頻尿や夜間頻尿、切迫性尿失禁が起こる症候群です。脳卒中やパーキンソン病など、脳や脊髄の神経に障害があり、脳から膀胱への神経の異常が原因となるもの(神経因性)と、前立腺肥大症で膀胱の出口が狭くなったり、膀胱の血流が悪くなったりするなど前立腺肥大症や加齢、肥満、高血圧などその他の原因によるものに分けられます。排尿後もすぐに尿意を感じ、頻繁にトイレに駆け込んだり、漏れることもあり、外出や映画鑑賞などがしづらくなるなど生活の質が下がることが問題になります。

神経因性膀胱

残尿感は脳や脊髄の疾患、糖尿病などによって膀胱の排尿機能が正常に働かなくなり、排尿後に尿が膀胱に残り続けるために生じます。

神経因性膀胱とは、脳や脊髄、末梢神経の異常により膀胱の機能が障害され、尿を溜めたり出したりする機能に問題が生じる病気です。主な症状には、頻尿、尿意の喪失、尿の勢いの低下、残尿感などがあり、放置すると尿路感染症や腎不全につながる可能性があります。原因は脳卒中、パーキンソン病、脊髄損傷、糖尿病など多岐にわたります。男女問わず発症いたします。
治療では薬物療法、膀胱の機能を助ける尿道カテーテルの使用などが行われます。

骨盤臓器脱

女性の場合のみで、残尿感は骨盤底筋群がゆるみ、膀胱などが下がって尿道を圧迫することが原因になることがあります。

骨盤内の臓器(子宮、膀胱、直腸など)が、骨盤底筋の緩みや損傷により、正常な位置から下がって膣から体外へ脱出する疾患です。主に経腟分娩経験のある女性や高齢の女性に多く、股の違和感や排尿・排便困難、頻尿などの症状を引き起こします。

  • その他
    膀胱結石、膀胱腫瘍(膀胱がん)、尿道狭窄なども残尿感の原因として考えられます。

38℃の発熱がある

38℃以上の熱が出ている場合、腎臓や前立腺や陰嚢内の細菌感染が考えられます。発熱のほか、排尿痛、頻尿、背中や腰の痛み、悪寒、陰嚢の痛みなどの症状を伴うことがあります。これらは重症化する可能性があるため、速やかに泌尿器科含めた医療機関を受診することが重要です。

考えられる主な泌尿器科疾患

急性腎盂腎炎

腎臓の腎盂や腎臓自体に炎症が起こる尿路感染症です。細菌が尿道から感染して発症します。排尿時の痛みや頻尿など膀胱炎の症状が先行することがしばしばあり、寒気を伴う38℃以上の高熱、背中や腰の痛み、全身の倦怠感などの症状が特徴で、多くは抗菌薬の投与によって治療されますが、重症化すると細菌が全身に広がる敗血症に至る可能性もあるため、早期の受診が重要です。女性に多く、男性では前立腺肥大症や糖尿病などの基礎疾患がある場合に発症しやすい傾向があります。また、尿管結石が関与する場合は緊急処置が必要になります。

急性細菌性前立腺炎

細菌が尿道から前立腺に侵入して引き起こされる前立腺に急性の炎症が起こる疾患です。主な症状は38℃以上の高熱、悪寒、会陰部痛や排尿時痛などの尿路症状で、早期に抗生物質での治療が必要です。炎症による前立腺の腫れによって尿道が圧迫され、尿が出にくくなったり、尿が全く出なくなったりする「尿閉」が起きることもあります。放置すると細菌が全身に広がる敗血症などの重症化リスクもあるため、早急に泌尿器科を受診することが重要です。

急性精巣上体炎

細菌感染により精巣の隣にある精巣上体に急性の炎症が起こる疾患で、片側の陰嚢に激しい痛み、腫れ、38℃以上の発熱、赤みなどが現れます。原因菌は大腸菌のほかに淋菌やクラミジアなどの性感染症菌を認めることもあり、若年層でも認める疾患です。治療は抗菌薬の服用や点滴で治療します。放置すると重症化や不妊症のリスクが高まるため、症状が出たらすぐに泌尿器科を受診することが重要です。

男性特有の症状

睾丸が腫れてきたり硬いものが触れる

睾丸に腫れやしこりがある場合、速やかに泌尿器科を受診してください。

考えられる主な泌尿器科疾患

精巣腫瘍

精巣の痛みがない硬いしこりが特徴です。多くは悪性で早期の治療が必要になります。

男性の精巣(睾丸)にできる腫瘍で、多くは悪性(がん)です。特に20~30歳代の若い男性に多く、40~60歳にも見られます。10万人当たり1~2名と比較的稀です。主な症状は、痛みを伴わない精巣のしこりや腫れですが、進行すると腹部リンパ節転移による腹痛、肺転移に伴う咳嗽などの全身症状が現れることもあります。早期発見と適切な治療(抗がん剤、手術、放射線療法など)により、進行症例でも高い確率で根治が望める病気です。そのため、可能性が高い場合は、出来る限り早めの治療が必要なため、緊急に手術(高位精巣摘除術)が必要になります。

急性精巣上体炎

精巣の横に痛みを伴う硬いしこりとして触れます。

細菌感染により精巣の隣にある精巣上体に急性の炎症が起こる疾患で、片側の陰嚢に激しい痛み、腫れ、38℃以上の発熱、赤みなどが現れます。原因菌は大腸菌などのほかに淋菌やクラミジアなどの性感染症菌を認めることもあり、若年層でも認める疾患です。治療は抗菌薬の服用や点滴で治療します。放置すると重症化や不妊症のリスクが高まるため、症状が出たらすぐに泌尿器科を受診することが重要です。

精索静脈瘤

陰嚢にミミズのような盛り上がりとして触れ、痛みを伴わないことが多いですが、男性不妊の原因になることがあります。

精索静脈瘤とは、精巣(睾丸)の周囲にある静脈が拡張し、こぶのように膨らんだ状態になる疾患です。精巣の静脈には、血液の逆流を防ぐための弁がついていますが、この弁がうまく機能しなくなると、血液が逆流・停滞して静脈が拡張します。症状がない場合は経過観察で、痛みが強い場合や男性不妊の原因となっている場合は、薬物療法、サポート下着による圧迫、または手術療法が選択されます。手術には、顕微鏡下低位結紮術などがあり、精液所見の改善が期待できます。

陰嚢水腫

陰嚢内に水分がたまり、滑らかな腫れを特徴とします。痛みはほとんど伴いません。

陰嚢水腫とは、男性の陰嚢(睾丸を包む袋)の中に液体がたまって腫れている状態です。原因は、乳幼児の場合は胎児期におなかの袋と陰嚢がつながる管が閉じないことが原因の先天性、大人の場合は炎症、外傷、腫瘍、あるいは原因不明の後天性があります。多くの場合、痛みはありませんが、不快感や重圧感、違和感などが生じます。治療は小児の場合、多くは1歳頃までに自然に小さくなって治ることが多いとされております。1歳を過ぎても大きい場合や鼠径ヘルニアを合併している場合、痛みが強い場合、本人が気にする場合は手術が検討されます。
成人の場合は、自然に治ることが少ないため、治療が必要な場合があります。根治するためには手術が一般的です。

陰嚢が痛い

急に陰嚢が痛む場合は、直ちに泌尿器科を受診してください。

考えられる主な泌尿器科疾患

精巣捻転症

小児の急性陰嚢症の10~15%にみられる疾患です。好発年齢は12~18歳の思春期に最も多く、次に新生児期にもピークがあります。成人にはほとんどみられません。精巣につながる血管や神経が束になった「精索」がねじれることで、精巣への血流が途絶える疾患です。これにより突然の激しい陰嚢の痛み、腫れ、吐き気などの症状が起こります。腹痛が主訴のこともあります。発症から6時間以内の治療が重要であり、迅速な手術が必要になります。時間内に血流が回復できなければ精巣が壊死してしまう可能性があります。

精巣損傷・精巣外傷

外部からの衝撃による外傷です。

急性精巣上体炎

細菌感染により精巣の隣にある精巣上体に急性の炎症が起こる疾患で、片側の陰嚢に激しい痛み、腫れ、38℃以上の発熱、赤みなどが現れます。原因菌は大腸菌などのほかに淋菌やクラミジアなどの性感染症菌を認めることもあり、若年層でも認める疾患です。治療は抗菌薬の服用や点滴で治療します。放置すると重症化や不妊症のリスクが高まるため、症状が出たらすぐに泌尿器科を受診することが重要です。

精索静脈瘤

精巣(睾丸)の周囲にある静脈が拡張し、こぶのように膨らんだ状態になる疾患です。精巣の静脈には、血液の逆流を防ぐための弁がついていますが、この弁がうまく機能しなくなると、血液が逆流・停滞して静脈が拡張します。症状がない場合は経過観察で、陰嚢の痛みが強い場合や男性不妊の原因となっている場合は、薬物療法、サポート下着による圧迫、または手術療法が選択されます。手術には、顕微鏡下低位結紮術などがあり、精液所見の改善が期待できます。

鼠蹊ヘルニア

鼠蹊部から陰嚢に腸などが飛び出す病気で、泌尿器科ではなく外科の病気ですが、陰嚢痛の原因になることがあります。

精液に血が混ざる

精液に血が混じる場合、血精液症という状態であり、多くの場合は前立腺や精嚢(せいのう)などの炎症が原因で、自然に治ることがほとんどです。しかし、ごく稀に前立腺がんや膀胱がん、精巣がんといった悪性腫瘍が原因の場合もあるため、必ず泌尿器科を受診して、精密な検査を受ける必要があります。

女性特有の症状

頻尿と尿漏れがある

頻尿と尿漏れがある場合は、原因を特定するために泌尿器科などの医療機関を受診することが重要です。

考えられる主な泌尿器科疾患

過活動膀胱

膀胱が自分の意思とは関係なく過剰に収縮するために頻尿と尿もれが生じます。少量しか尿がたまっていないのに強い尿意を感じ、頻繁にトイレに行きたくなる(頻尿)だけでなく、尿意を我慢できずに漏らしてしまう(切迫性尿失禁)症状も引き起こされます。

膀胱の「尿をためる畜尿(ちくにょう)機能」に支障が生じ、尿が十分にたまっていないのに「急に我慢できないような強い尿意」を感じ、その尿意によって頻尿や夜間頻尿、切迫性尿失禁が起こる症候群です。脳卒中やパーキンソン病など、脳や脊髄の神経に障害があり、脳から膀胱への神経の異常が原因となるもの(神経因性)と、前立腺肥大症で膀胱の出口が狭くなったり、膀胱の血流が悪くなったりするなど前立腺肥大症や加齢、肥満、高血圧などその他の原因によるものに分けられます。排尿後もすぐに尿意を感じ、頻繁にトイレに駆け込んだり、漏れることもあり、外出や映画鑑賞などがしづらくなるなど生活の質が下がることが問題になります。

急性膀胱炎

炎症によって膀胱が過敏になり、少量の尿でも尿意を感じてしまうため頻尿と尿漏れが生じます。炎症が膀胱の筋肉のコントロールを失わせ、突然の強い尿意(尿意切迫感)を引き起こし、我慢できずに尿漏れ(切迫性尿失禁)につながることがあります。

女性に多く見られる尿路感染症です。尿道から侵入した細菌(大腸菌など)によって膀胱の粘膜が炎症を起こす疾患です。主な症状は、排尿時の痛み(排尿時痛)やしみる感じ、頻尿、残尿感、血尿などです。治療は抗生物質の内服が中心ですが、高熱を伴う場合は腎盂腎炎の合併も考えられるため、早急な泌尿器科の受診が重要です。また、感染した細菌の特定も重要になります。

慢性的に骨盤内や下腹部に痛みがある

慢性的な骨盤内や下腹部痛の症状がある場合、その原因は婦人科系、泌尿器系、消化器系、筋骨格系、血管系など多岐にわたる可能性があります。特に、月経困難症、子宮内膜症、子宮筋腫といった婦人科疾患が女性では一般的ですが、骨盤内の静脈に血液が滞ることで慢性的な下腹部痛などを引き起こす骨盤内うっ血症候群(PCS)や女性の生殖器(子宮、卵管、卵巣)が細菌に感染し、炎症を起こす疾患の総称である骨盤内炎症性疾患(PID)、原因不明の慢性骨盤痛症候群も考えられます。

考えられる主な泌尿器科疾患

慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群

男性特有の疾患で、会陰部(陰嚢と肛門の間)や下腹部、睾丸などの慢性的な痛みや不快感を主な症状とします。排尿障害(頻尿、残尿感、排尿時痛)や射精時の痛み、勃起障害などの性機能障害も伴うことがあります。原因が特定しにくく、長期化することが多いため、ストレスや生活習慣の改善を並行しながら、薬物療法や物理療法など複数の治療法を組み合わせて行います。

間質性膀胱炎

原因不明の膀胱の慢性的な炎症で、主な症状は「頻尿」「尿意切迫感」「膀胱の痛み」です。細菌感染によるものではなく、抗生物質では効果がないのが特徴です。特に女性に多く、精神的なストレスや特定の食品で悪化することもあります。原因がはっきりわかっておらず、治療が難しいとされています。別名「膀胱痛症候群」とも呼ばれます。

パンツに血液が付着している

パンツに血液が付着する場合、その出血が膣からなのか尿道からなのかによって治療する科が異なります。膣からの出血であれば、子宮筋腫や子宮頸がん、子宮体がんなどの婦人科疾患の可能性があります。尿道からの出血の場合は泌尿器科的疾患が考えられます。

考えられる主な泌尿器科疾患

尿道カルンクル

主に閉経後の女性の外尿道口(尿の出口)にできる良性のポリープで、慢性炎症が原因と考えられています。パンツに血液が付着すると受診され見つかることが多いです。また、出血や痛みなどの症状を伴うことがありますが、無症状で経過観察となる場合も多いです。症状がある場合はステロイド軟膏を使用し改善が見られる場合に、電気凝固術や外科的切除が行われることがあります。